弊社オリジナル商品の開発

アフリカ×京都のモノづくりをする。アフリカ・トーゴにある素材と、京都の伝統技術を組み合わせる。トーゴでピックアップする素材は、ケンテというアフリカ布に決めた。それも、かつては王しか身につけることができなかったとされる、オーガニックコットンのケンテだ。しかしそれを京都の技術と組み合わせようと思えば、1cm単位の調整が必要だった。

 

ケンテは13cm-15cm幅の布を10枚繋ぎ合わせてつくるから、出来上がりは130cm-150cmとなるが、京都でアパレルの手染めを施そうと思えば、112cm-114cmに収めなければならない。オーダーをお願いしたところ、ケンテ職人の親方は「臨むところだ」と胸を張ったが、それからぼくはメジャー片手に何度も現場へ足を運んだ。

 

既存の受注があるなかで、初めてみるアジア人が、すべて白地で、しかも幅の指定をするという「めんどくさい」仕事だった。お願いをしているこちらも申し訳なく思うくらいに、彼らは炎天下、汗を光らせながら手に意識を集中させ、まばたき一つせず微調整を重ねてくれた。「決して無理はせずに、そちらのペースで出来たぶんでいい」と言ってはいたものの、果たしてどれくらいできるのかという不安と、どんな感じになるのかという期待が交差して、なかなか眠れなかった。

 

そんな夜、気分を整えようと外に出て歩いていると、ラジオから流れる音楽と、聞き慣れたカチャカチャという音が聞こえてきた。

 なんと、彼ら職人は夜通しで生産にあたってくれていた。ぼくは急いで「そこまでやらなくていい、帰って寝てくれ」と声を掛けに行った。すると親方は、「おまえは約束を守るためにこんなところに帰ってきたんだろ。だからオレも約束を守る。受けたオーダーは、きっちり揃えて納めてやる」と胸に手を当てた。
 お調子者で、ムードメーカーのヤオヴィは「これが日本に行くんだろ。車はTOYOTA、エレクトロニクスはTOSHIBA、ケンテはTOSHIHARU(わたしの名前)だ」とエウェ族独特のダンスを踊りながら言った。
そうして、納期の10日以上も早く、圧倒的な職人技を見せつけられて、京都の112cm幅に対応するオリジナルのケンテが出来上がった。独特の、ケンテならではの風合い。これを次に繋げる。考えられるなかで、一番可能性が広がりそうな、京都の職人のもとへ。
 職人の手から、職人の手へ。手作業だからこそ、手の温もりを伝えられる。いつの時代も、人の気持ちを動かすのは、人だと思う。その温もりある人たちの顔が見える商品ができたとき、響いてくれる人は、きっといるはずだ。