壁にぶつかっても

 

新年早々、ぼくは東京へ向かった。腕利きの仕立て屋が銀座にあると聞いたからだ。トーゴから持って帰ってきた生地は、京都の職人に鮮やかに染めてもらった。この染める過程でも、1グラム単位で修正しながら色出しをして、納得いくデザインを施した。12種類くらい染めてみたものを、ハイブランドのセレクトショップのバイヤーに見てもらったり相棒と相談したりして、3種類くらいに絞り込んだ。

 

それを一度、形にしたい。どのような形にするかで、普段づかいができそうなジャケットに議論が落ち着いた。ジャケットを仕立てるために、12メートルくらいの生地を担いで銀座に降り立った。

 

オーナーと話し合い、生地をみてもらったが、その場では判断がつかなかった。ジャケットのフォルムを決めて、採寸して、オーダーした。しかしその3日後に相棒から連絡があった。

「あれではできないとのことです。」

 

その理由は、すこし頭にあったことだが、やはり生地の強度が弱いということだった。繋ぎ目の部分が弱い。もしアパレルでやるなら、現状の13cm幅を繋ぎ合わせたものではなく、最低でも60-70cm幅のものを繋ぎ合わせなければならない。

 

そうなると、設備の変更が必要だ。再び、トーゴへ行く必要が出てきた。壁にぶつかっても、それは諦める理由にはならない。何度でもぶつかってやる。2019年は、波乱の予感がする。