情報を求めて③

 アタパメ出張で意気消沈してパリメへ戻ってきた。これからどうしようかと悩んでいた矢先、たまたまヘルガーさんというドイツの方と知り合った。彼女は御年75歳、長年にわたり弁護士をされていて環境問題や労働問題を専門に法廷で闘われていた方だ。

 ヘルガーさんは、数十年前に友だち3人と車で旅に出た話をしてくれた。ドイツからフランス、スペインへ行き、アフリカ大陸・モロッコに入ったあとはアルジェリア、マリ、ニジェール、ベナンを周り、最後にトーゴに行き着いて、ビビっとくるものがあったらしい。お子さんが独立し、定年退職したタイミングで再びアフリカ行きを決意。「トーゴに呼ばれている気がする」という理由で、70歳くらいから国際協力の組織を立ち上げたりしているスーパーパワフルクレイジーおばあちゃんである。

 彼女に「行き当たりばったりやからそうなんねん」とか「もっと考えてやらなアカンやろ」とか散々に叱られて、ここは法廷じゃないんで優しくしてくださいとペコペコしながら一緒にビールを飲んでいたら、思いのほか仲良くなってしまった。そしてヘルガーさんの友人で、活動のパートナーでもあるヤッサンという青年を紹介してくれた。


 ヤッサンは首都にあるロメ大学でドイツ語を学んだあと教師になり、ドイツに渡ってヘルガーさん支援のもと国際協力や開発経済などを学んできた人物である。将来は政治家になりたいと照れながら話す彼は、めちゃくちゃいい人で、トーゴの現状を変えようと様々なアクションを起こし、そして幾多の失敗を重ねてもなお、目が輝いているような人だ。そんな彼に悩みを打ち明けると、ヤバいくらい親身になって相談に乗ってくれた。


 するとヤッサンは、いろんな関係筋に電話で確認を取りながら、とあるNGOの代表から、まさにぼくたちが求めていたベースマップを調達してきてくれた。それは今回トーゴを訪問するにあたっての最重要ミッションをクリアした瞬間であった。このベースマップがあれば、これまで蓄積してきた情報と、これから得ていく情報を建設的に組み立てることができる。そしてそれは、弊社を前進させてくれる超重要リソースとなりうるのだ。