マチ針と裁ちバサミに向き合う

 7月の商品リリースに向けた闘いが始まった。マチ針と裁ちバサミを手に、アフリカ・トーゴ共和国から仕入れてきた布や、京都の職人と開発した布と対峙している。手に謎のマメができて、指先は穴だらけである。水仕事のたびに激痛が走る。自分が不器用すぎて涙が出そうだ。

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まさか、再び裁縫セットを手にすることになるとは思わなかった。人生は何が起こるかわからない。だから何が役に立って、何が役に立たないかというのは、最後までわからない。マジメに家庭科の授業を受けていてよかった。手はボロボロだが、なんとか食らいついている。
 裁断しながら、これまでの旅路を振り返ったりできるからいい。6年ぶりに戻ったアフリカ大陸は、もちろん劇的に変化していて、でも変わらないものもあったりして、その変わらないものに光をあてたくて、再びアフリカ大陸へ向かった。道のりの途中、自分たちの限界を知ったり、立ち止まったり、不安に胸が締め付けられる夜を何度か過ごしたりした。まだまだ出来ることはあると思う。でもこれが、今の自分たちのベストだと胸を張って言える。
 もしこれで無理だったら、ということを考えたりもする。でもこの不確実性の時代において、将来のことを憂いても仕方がない。事実を積み重ねる。できれば、目に見える形で。いつか、やってきたことに背中を押される日がくると思っている。

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