雪辱を果たす

 大阪・中崎町でポップアップストアをオープンし、これまで挑戦してきたことを皆さんに発表する機会を得た。当日は日本初開催のG20サミットで史上最大規模の警備がおこなわれていて、しかも大雨が降り注いでいたにも関わらず、店内はお客さんの熱気と優しさに溢れていた。用意した商品は、ほぼ完売。デザインによっては、しばらくお待ち頂かなければならないほどの注文を受けた。これは大成功といっていい。

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 およそ半年前、ぼくたちは東京の寒空の下、惨敗を喫した。魂を込めて作り上げてきた会社の全財産をスーツケースに詰め込んで、目の肥えたバイヤーたちにぶつけてきた。しかし思うような結果は出ず、終いには店員さんと口喧嘩みたいになるほど、いろんなことが噛み合わない悔しさを経験した。あのときの悔しさをバネに、アクションを起こし、知恵を絞って前を向いてきた。フランス・パリ市内を徒歩で駆けずり回り、トーゴ中をギュウギュウ詰めの乗り合いタクシーで走り回って、何度もミーティングを重ねてきた。
 そうして迎えたポップアップ当日は、数えきれないほどのお客さんが、たくさんの差し入れを持って来店してくれた。102Lのスーツケースは、みなさんからの差し入れでパンパンになった。幼馴染みや高校・大学時代の友人、先生、なにかのご縁で繋がった大切な人たち、そして前職でお世話になりまくっていた上司の方々。全国各地から駆けつけてくださって、来店が叶わなかった友人からも、お花が届いた。ぼくは幸せ者以外の何者でもない。

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 営業時間中、途絶えることなく接客をしていたから、口はパサパサ、足はガクガク、まぶたはピクピクしていて、ほとんど立っていられないくらいだった。帰宅してすぐに、3合分の白米をかきこんだ。こくまろカレーが、あれほど美味しく感じたことはなかった。半年前、東京の寒空の下で惨敗を喫したぼくたちは、雪辱を果たした。大阪の夜空を見上げて、ぼくは小さくガッツポーズをした。