日系企業のアフリカ進出 〜電動工具のマキタさんを参考に〜
外務省統計などによると、アフリカにいる日本人が約1万人なのに対し、中国人はその100倍以上、つまり100万人以上いるそうです。
※参照:http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/99/2_9.html / http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20131217/257142/
当然、アフリカにおいてより存在感があるのは中国、という状況です。
そんな中、自社製品力で勝負している日系企業があります。
例えば、「株式会社マキタ」さん。
主に電動工具などを製造・販売されており、生産の8割以上が海外というグローバル企業です。
※参照:https://www.makita.co.jp/company/abroad.html
アフリカに強い商社である豊田通商さんも、カメルーンでマキタ製品の販売代理をされています。
※参照:http://www.toyota-tsusho.com/press/detail/150615_002839.html
現在アフリカでは、住宅の建設数が増えてドリルなどの需要が拡大しており、マキタさんが取り扱われている電動ドライバーなどの工具は需要が拡大しています。
私がザンビアを訪問した際、建設業者向けの専門店が数多く出展されていて、マキタの電動ドライバーも売られていました。
競合製品も。アメリカの会社。その名もメタボ。笑
店全体の売行は芳しい状況とは言えない状況でも、訪問した店では、
「マキタ製品は良く売れている。1日に平均3~4個売れている。」
とのことでした。
よく売れている理由について、やはり品質の高さが主要因とのこと。
正直な話、アフリカ市場では、新興国が期待しているほど(すぐには)マスマーケットにおける購買力は伸びて来ていない、という状況があります。
まだまだ、狙った価格では売れず、消費者は安いものを求める傾向が強いと言えます。
そんな中、マス(今回の例では家庭で使用する個人)ではなく、建設を行う業者向け(toB)の方が良く売れている。ここにヒントがあるんだと思います。
日系企業のアフリカ進出においては、ターゲッティングに多大な注意を払う必要があります。
日系企業の製品力は確実に需要がある一方、本当に重要なのは、
「誰が、どんな目的で、その製品を購入するのか?」
「そもそも誰がお金を払えるのか?」
ここを、正確に捉える必要があります。
アフリカの発展に確実に貢献出来る製品・サービスを持つ日系企業。
進出時の仮説構築・フィージビリティスタディは、素早くかつ消費者のリアルを確実に反映した形で行われることが望ましいと感じています。
・・・ここに自分貢献出来るポイントがある。
そう思っています。
今日も地道に準備準備を進めております。
(補足)
今回ご紹介したマキタさんですが、当然、歴史を経て現在の地位を築かれているのは言うまでもありません。特に、製造拠点の移転は労力・時間・慎重さを要するのはご存知の通りかと思います。
なお、今回の記事では特定の企業様について触れておりますすが、私または弊社(And Africa)は一切の関わりはございません。