アフリカのGDPのカラクリ
2017年度のタンザニアの一人当たり名目GDPは、111,751JPYであり、日本の約2.6%となっています。
(日本の2017年度、一人当たり名目GDP:4,319,376JPY)
※参照:
http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp2.html
http://ecodb.net/country/TZ/imf_gdp2.html
※1タンザニアシリング = 0.0480412JPYで計算
しかしながら、貿易の拠点ダルエスサラームでは、高級車が街を走り、生活レベルも先進国並みという人もいたりします。
もちろん、ごく一部の人であり、日本の平均的な生活水準には及びませんが。
しかしなぜ、こんなにもGDPがマクロデータ上、低く表示されるのでしょうか?
現地のタンザニアやザンビアの何人かの友人・知人に聞いてみました。
すると、こんな応えが返ってくることが多かったです。
「アフリカでは、(データとして)拾いきれていない取引が非常に多い。田舎の方だと物々交換が主流なので、お金を介した取引がなされていない。」
とか
「遊牧民などは、牛がアセットだからね・・。」
とか。
つまり、通貨を介さない取引で生活が成り立っている地域も未だに多く、それがGDPとして反映されないため、極端に低く見える、ということの様です。
アフリカでもその国の消費地となる都会だと、この様なことはなく、基本的に通貨を介した取引がなされています。
おそらく、都会だけで一人あたりGDPを計算すれば、「日本の2.6%」という結果にはならないはずです。
マクロデータはあくまで目安として捉えること。
加えて、数字の裏にある背景を捉えておく必要がある。
そんな事例です。