ギニアの若者たちを応援するアーティスト支援活動のご紹介
ギニアにはギニア伝統音楽を学ぶ若者たちとそれを無償で教える指導者たちのいる伝統音楽学校・舞踊団があります

クラウドファンデイングによって、ギニアの首都コナクリ、マタン地区で活動するグループ・バレエマタンのコンサート用衣装を揃える事が出来ました
こんにちは。ギニア、コナクリから、イヌワリアフリカ代表 バー由美子です。
今回は、イヌワリアフリカがギニアで行っている、ギニアの伝統音楽の未来を担う若者たちを応援、支援する活動についてご紹介させて頂きます。
【イヌワリアフリカ・アーティスト支援活動 】 http://inuwali.wixsite.com/inuwaliafrica/-2
ギニアには数多くの舞踊団と呼ばれるグループがあり、それは主に太鼓とアフリカンダンスで構成された劇団の様なもので、それは一流の伝統音楽家、ダンサーを目指す子どもたちの為の職業訓練校でもあります。
7歳位から青年位の子どもたちがそこで日々特訓をしていて、長年の経験を積んだプロの音楽家、ダンサーの大人たちが中心になり無償でその子ども、若者たちの教育をしています。
でも、どこの舞踊団も同じで、資金が無く、活動を行う為の大切な道具であるジャンベなどの楽器を新しく購入出来ない、修理をする資金もない、コンサート用の衣装を新調出来ない、メンバーが練習に行く交通費が無い、などいろんな問題が沢山ある中で日々練習に励んでいるのです。
今や世界中で愛されているギニアの伝統文化を代表するジャンベとアフリカンダンスですが、ギニア現地でその文化を引き継ぎ活動するアーティストたちはとても貧しく厳しい生活状況の中暮らしています。

舞踊団でのダンス練習
私はギニアに移住後、私自身ダンサーとして舞踊団に入り彼らと練習を共にし、彼らと共に日々を過ごしていくうちに、彼らの生活がどのくらい過酷なものなのかを間にあたりにする事になりました。
ギニアには、私の夫も所属している国の運営する国立舞踊団もありますが、その公務員であるメンバーですらろくにお給料はもらっていない、社会保障もほとんど無しというのが現状です。
ギニアに仕事が無い、物化が高い、生活保障がないのは知っていましたが、どれだけ大変なものかは、ここで暮らし彼らの中に入り始めて分かった事でした。
舞踊団でプロのアーティストになるべく頑張る子ども、若者たちは練習の時間帯と学校の時間帯が同じなので、学校には行っていない子も沢山います。
彼らが何故そんなに頑張っているのか、それは学歴があっても職に就くのが困難なギニアでも、一流のアーティストになれば将来外国に行って仕事が出来るかもしれないという希望があるからでした。
でも彼らの学びの場である舞踊団には活動資金がなく、大切な道具の楽器や衣装が十分揃っておらず活動環境は最悪です。
そんな彼らと過ごすうちに、外国人である私たちがギニアのジャンベ、ダンスからもらった恩恵はとても大きいのに、何故現地ギニアのアーティストたちはこんなにも苦しい状況にいなければならないのか、彼らの活動を援助する事がわたしたち皆で出来ないだろうか、、と考える様になり、イヌワリアフリカのアーティスト支援活動を本格的に始める事となりました。
私たちが普段している支援のほとんどが、彼らから支援を頼まれた病院代、薬代です。
あまりにも個人的なものなので一つづつ報告も出来ない様な援助です。大体がマラリアの治療代です。ギニアの病院での治療代、薬代は彼らにとってとても高額なのです。
アーティストの仕事で外国に招聘されたアーティストにパスポートを取得代を援助した事もあります。ギニアのパスポート所得費用は彼らの収入で考えると何か月分でしょう。4,5か月分くらいでしょうか。

日本のジャンベ、アフリカンダンス愛好家の仲間たちと合同で舞踊団への衣装を作る資金提供・衣装のパンツをメンバー分揃えた事の報告時の写真
そして、あのエボラ出血熱流行がやってきました。外国人は国外退去になり活躍の場であるコンサートも極端に減り、外国人相手の仕事も無い、途方にくれる様な日々が続きました。それを機にイヌワリアフリカは本格的にアーティスト支援活動に力を入れようと決心しました。
お陰様で、去年12月には、音楽の力で社会貢献を目指し活動を行う日本のNPO法人一期JAMと共に、Readyfor のクラウドファンデイングに挑戦、目的達成し、首都コナクリで活躍する4つの舞踊団の衣装、楽器代を支援する為の活動を行う事が出来ました。

Ready For クラウドファンデイング「ギニアの伝統楽器音楽家、舞踊家を目指す若者たちを応援したい!」
Ready For クラウドファンデイング 「ギニアの伝統楽器音楽家、舞踊家を目指す若者たちを応援したい!」 https://readyfor.jp/projects/10964

こちらのクラウドファンデイングでの支援金で4つの舞踊団が衣装、楽器を揃えることが出来ました

ボロボロで使えなかった太鼓がやっと新しい太鼓に
彼らに本当に必要とされている支援をしたい
支援にはいろいろな支援があると思います。ただ、こちら側の押し付けでない本当に必要とされている支援を、必要としている人たちに確実にする事が大切だと強く思います。
私はギニアで実際に7年暮らして、ギニアの底辺にいる人たちの中で一緒に時を過ごしたからこそそう思います。彼らの生活の中に入っていかなければ絶対に見えない事があると思います。
私たちは押し付けの支援はしたくありません。同じ目線で本当に必要な事を一緒に考えながらしていきたいと思っています。
クラウドファンデイングに挑戦した事により、日本でギニアのジャンベやダンスを楽しむ多くの方々からこのようなメッセージを頂きました。
「自分もギニアの音楽、ダンスに幸せをもらった、本当に感謝している。自分が踊っているダンスはギニアの舞踊団で踊られているものだった事は知らなかったし、彼らがそんな厳しい状況にいる事も知らなかった、ギニアの現状を知る事が出来て良かった。これからも彼らを応援して行きたい」
もっともっと多くの方々にこのギニアの状況、本当に必要とされていることが何かを伝えたい、みんなの力を合わせ、子供若者たちが将来の希望を持って生きていくことのお手伝いができたらと考えています。
日本の感覚で言うと、「働けばいいじゃない」かもしれません、でもそれが出来ない状況の中生きている人たちもいるのです。
これからは、支援だけでなく、彼らの収入となるような音楽、ダンスを通しての仕事を作り、パートナーとして一緒に仕事をしていくという事も、もっと試みていきたいと思っています。
イヌワリアフリカ 代表 バー由美子 Yumiko Bah / Inuwali Africa Président