ア ケケ製作場の訪問と難民の人々
こんにちは。ギニア、コナクリから、イヌワリアフリカ代表 バー由美子です。
まだギニアの食についてご紹介していませんでしたね。
「ア ケケ」は、マニヨックを原料とした本来コートジボワールの伝統料理「アチェケ」の事で、ギニアでは、「ケケ」や「ア ケケ」と呼ばれています。
ギニア料理と思ってしまうほど、人々の生活に入り込んでいる食べ物で、首都コナクリであれば何処ででも気軽に屋台やレストランで食べる事が出来ます。

安く気軽に食べれる屋台スタイルのもの ア ケケの上にシンプルに揚げ魚かチキン、刻んだ玉ねぎ、トマト,キュウリとちょっと酸っぱいソースとオイルがかかっています

ちょっと高めのレストラン・屋台より値段が5倍くらいのもの チキンとソースが屋台より豪華版
イヌワリアフリカは、ギニアの食品も取り扱っているのですが、先日日本のお客様より、乾燥状の「ア ケケ」を仕入れたいというご要望を受け、ア ケケを生産している女性たちの元を訪問しました。
その時の事と共にギニアの人々のランチや軽い夜食的な食べ物である「アケケ」のご紹介をしていきたいと思います。

女性が持っているのが原料のマニヨック
アケケを作っているのは、こちらのギニアの一般的な庶民が暮らす長屋作りの住宅です。
塀も囲いもなく、まさしく日本の時代劇に出てくるような長屋のイメージです。
家の玄関先で女性たちがワイワイと集まりアケケを作る作業をしています。
もちろん大勢の子供たちがちょろちょろしています。

アケケの原料、マニヨック 白くて硬い芋です。ギニアの人はこのまま生で食べたり、蒸したり、焼いたり、ご飯のソースに入れたりと、よく食べています。

マニヨックを細かく削った状態

水分を取って乾かした状態

乾燥したものを蒸すとフワフワのモチモチになります

作業場の脇では、蒸してすぐに食べれる状態にしたアケケ1皿分をビニール袋に入れて販売しています

削ったマニヨックの水分を絞り出す為の機械、壊れていて今は使えないそうです。
ア ケケ作りの女性たち、この機械が壊れたけれど修理も出来ず新しいものを買う資金も無いので、週に1度機械を持っている人にこちらまで持ってきてもらいレンタル代を払って使っているそうです。
「新しい機械を買う資金を誰かが助けてくれたらいいのに」と話していました。
ギニアには、女性たちが作る美味しいア ケケや、ギニアならではの自然の恵みたっぷりの素晴らしい食品や飲み物が沢山あります。生産の道具の問題なく皆が働けるような場を作ったり、そういった食品を素敵にパッケージして国内外で販売出来るような流れも今後作っていきたいと考えています。
それと同時に、ギニア料理レシピ本や映像なども制作し、多くの方にギニアの食文化を通してギニアの魅力をお伝え出来たら!と思っております。
さて、この女性たちは皆ギニア人ではありません。シェラレオーネ人の難民なんだそうです。
ギニアは多くの難民を受け入れていてリベリア、コートジボワール、シェラレオーネからの沢山の難民がギニアで暮らしているそうです。
以前付け爪が流行っていた時には、マルシェには安く付け爪を付けてくれるネイリストが沢山いたのですが、何故かそのほとんどがシェラレオーネ人の若い男性だったのです。私が一度付け爪を付ける施術を受けた男性も、自分はシェラレオーネから来た難民だと言っていました。
我が家の隣の家で住み込みで使用人として働いている家族がシェラレーネ人の難民の家族だった事も最近知りました。その家族の女の子が我が家の娘と遊んでいる時に、彼女がちょっと訛りのある英語を話すので、もしかしてギニア人じゃないのかと思い、どこから来たのか聞いてみたところ、シェラレオーネからだと言うのです。そして、その子とその姉妹たちが難民用の学校に通っている事も最近知りました。カトリック教会が運営している難民の子供の為の学校なのだそうです。そこには、シェラレオーネ、リベリアからの難民の子供たち通っているそうです。
一見ギニア人と区別もつかないあの人たちが実はそんな背景を持っていて、祖国を離れてここでこうして暮らしている。そういう人たちと実際に知り合いになって交流していくうちに、難民というのが映画やテレビの中の世界ではなく、現実なんだと実感するようになりました。
そして、その難民を多く受け入れているギニアは本当にすごい国だなと思うのです。
バー由美子
Inuwali Africa Guinée Conakry SARLU 代表
Inuwali Africa イヌワリアフリカ HP
Inuwali Africa イヌワリアフリカ ネットショップ
イヌワリアフリカのギニアツアー

こちらは家庭で使うアケケ用蒸し器、 炭火の上に置き調理します