娘の学校生活で再確認したギニア手洗い問題

お祭りの日に用意された大きなタライに入ったご飯・約8人分位

 

こんにちは。ギニア共和国、コナクリからイヌワリアフリカ代表:バー由美子です。

 

お影様で仕事がとても順調で、イヌワリアフリカの商品の日本での新しいお取引先が決まったり、海外からの注文が入ったり、ギニア国内での様々な業務依頼を頂いたり、来年2月に開催予定のギニアツアーの準備に追われるなどで日々忙しくさせて頂いております。

 

学校の食堂で素手でご飯!?

 

ギニアでは、今は学校が3ヶ月間の長いバカンス中。
我が家の娘もずっと家に居るので、家の中が何だか落ち着かなかったのですが、彼女の通っている学校で新学期前の補習クラスが始まったお影で午前中だけ学校に行くことになり、私も午前中だけやっと静かな時間を過ごせるようになりました。

さて、娘が今の学校に通うようになってからとても気になっていることを今日は書かせて頂きます。

彼女が今通っている学校には給食が無く、学校の敷地の中に文房具やお菓子が売っている小さな売店と、壁の無いビニール屋根の掘っ立て小屋のようなレストラン?食堂?というと大げさかな、椅子もテーブルも無い、ただ炭でご飯を調理しながら売っているスペースがあるのです。

お昼休みになると、近所に住んでいる子どもたちは家に帰ってお昼ご飯を食べるたり、自宅が遠い子どもたちは学校の入り口に売りに来ているサンドイッチ屋さんでパンを買ったり、そして大半の子たちはその敷地内の掘っ立て小屋の食堂で食べる訳です。

我が娘はお米派なので、ご飯が食べれるその掘っ立て小屋を利用しているのですが、ある日、お昼休み中に娘の様子を見に学校へ行ってみたら、娘がお友達と校庭の隅に座って一つのお皿で一緒にご飯を食べているのが見えました。

娘もお友達も、ご飯を素手で食べていました。

学校にはちゃんとした手洗い場が無いことを知っていたので、食堂のおばちゃんにスプーンをもらわなかったのか?と娘に聞いたら、その食堂にはなんとスプーンが無いというんです。

手でご飯を食べるという事は、ギニアの伝統ですし、たとえそれが学校であっても構いません。
普通のレストランでも素手で食べるような手水の入った洗いボールが出てきますしそれ自体には驚きません。

2月に開催したイヌワリアフリカ主催のギニアツアー時の様子・ご飯が出来上がった後に調理スタッフの女性たちの食事を味見中の参加者さん達。熱々の出来立てご飯をみんなで手で食べるのはとっても美味しいんです。

でも、この学校にはきちんとした手洗い場が無いし石鹸ももちろんありません。

一人で自分だけで食べるならまだしも、誰かがご飯が盛ってあるお皿を持っていたとしたら、絶対に手を洗っていない数人のお友達が「私も食べるー!」と集まって来るはずなのです。
一人ずつの手についているバイキンが混ざり合って。。。と想像すると恐ろしくなります。
しかも学校の子供たちだからまた恐ろしくなります。

 

ギニアで暮らしていてびっくりすることは、ちょっと外出した後に手を石鹸で洗ったら、自分の手から驚くほど茶色に汚れた水が流れていくことです。手を見てもそこまで汚れているとは思えないのに、石鹸で洗うと驚くほど汚れていたことに気がつきます。
石鹸で洗うまで気がつきませんが、ちょっと外出するたけでも知らぬ間にかなり手が汚れるんです。

ですからこの学校で娘がお友達と同じお皿で、みんなで石鹸で手を洗わずに素手でご飯を食べていると知った時に、冷や汗が出るような気持ちになりました。

それ以降は毎日2つのマイスプーンを持たせて学校に行かせています。そして、お供だちにも1つ貸してあげて、あなたのお皿には他の誰にも手は入れさせないようにしてね。と言い聞かせました。

 

右手と左手を使い分けるギニアの人たち

 

ギニアの人たちは素手でご飯を食べる時は必ず右手で食べます。

ギニアでは、水洗トイレはまだまだ少なく、そしてトイレの後はほとんどの人がトイレットペーパーを使わず水を使い手でお尻を洗ったりします。
その時には必ず左手を使います。その為に左手は不浄の手とされていて、お金を受け取る時や支払う時には左手で受け取ったり渡すことはいけないことだとされています。
右手がふさがっている時も急いで左手を使うことはせず、必ず右手に持っているものを置いてお金を受け取ったり、渡したりします。

お料理をする時も例えば魚で作る団子を握る時も、両手は使わずに右手だけで握ります。左手は使ってはいけないからです。

そういう状況の中、手で作るものですから、ギニアのお料理は時間をかけしっかりと火を通したメニューが多いです。

 

トイレや手洗い場に綺麗な水や石鹸がない

 

トイレで下の始末を手と水でするのに、その後素手でご飯を食べるなんて信じられません。

そして学校や各家庭のトイレには手洗い場はあったとしても水がないところも多く、石鹸があるところはほとんどありません。

今ではそれなりのランクのホテルやレストランにはありますが、それもやっとここまで来たかなという感じです。

 

コナクリのシェラトンホテル、いつも必ず手洗い用の石鹸が容器からキチンと出てくるし割といつも清潔です。ギニアでは、こうした高い金額のホテルでもトイレが清潔ではない、石鹸がなかったりします。

シェラトンホテルのトイレには世界のTOTO!の手の乾燥機もあります。ギニアにしては画期的です。

 

私も娘も、家族全員素手でご飯を食べる時ももちろんあります。
一つのお皿のご飯を囲み、大勢で一緒に素手で食べるのは本当に美味しいです。

ただ、ギニアではトイレの後、食事前に手を綺麗にしよう、とか流れる水で石鹸で手を洗おうという意識は全然低いのです。

友人知人の家でも、大人も子供もご飯を食べる時には手を洗わずに素手で食べています。

大人が子供に食事前に手を洗いなさいとはほとんど言いません。

大衆食堂では、食事前にタライに入れた水が出され、数名が同じタライに手を入れてバシャバシャしてから食べる時がありますが、みんなで同じタライに入った水でバシャバシャなんて逆にしないほうが衛生的かなと思うから私はしません。

流れる水で各自一人一人が石鹸で洗わなければ何の意味もないと思うのです。

基本ギニアの人たちはとても清潔好きで、寒くても朝と夜に水シャワーをしっかりしたり、いつも身体を綺麗にしているんです。でも、食事前やトイレ後の手洗いに関しては何故かあまり気にしていないみたいなのです。

 

清潔なトイレと手洗い場、そして石鹸設置&手を清潔にする教育を

 

娘が今通っている学校は決してボロボロの学校ではありません。ギニアの普通の学校です。
学校の授業もしっかりしてくれる先生もけっこう優秀です。
でもこういう事の大切さは学校で教えない様です。

トイレの後、食事前には手を清潔にしなければいけないこと、流れてる水で手を洗うこと、石鹸を使うことの大切さ、それが病気の予防になることを子供に教える事も大切ですが、大人、親、学校の先生たちにその大切さを知ってもらってもっと真剣に考えてもらいたいと痛感しています。

ただ、ギニアでは水道から水が出ないところも多く、綺麗な水をいつも確保することが難しい所も多いからなかなかうまくはいかないとは思うのです。

石鹸を買うということも経済的に難しい人たちもいるから簡単ではないけれど、でも、しっかりした手洗いで病気を予防できる可能性があるのだから、病気にならないで済むということは病院代、薬代がかからないから結局は節約になるとも考えられます。

 

娘のバッグパックにスプーンを2つ入れる時には、いつも日本で子供たちがお世話になった保育園の手洗い場に貼ってあった、可愛い手洗いの絵や歌を思い出します。
日本ではあんなに当たり前だったのにと。。

学校を運営する時には学校内に清潔なトイレと手洗い場を設置し、石鹸を常に用意というのを義務づければ子供たちの健康に繋がるはずなので、ギニアの国でそんな決まりを作ってもらえないだろうか?とも思います。

いつかイヌワリアフリカでも、「子供たちの為に学校に綺麗なトイレと手洗い場、石鹸を常備することに繋がる活動や、ギニアの人たちの暮らしに合った手洗いの方法を一緒に考えたり、手を清潔にするということの大切さを伝える活動をできたら」と考えています。

 

安心して娘もそのお友だちも一緒に、一つのお皿で素手でご飯を食べる事ができるように。
みんなが元気で、その「一つのお皿を囲み、みんなで素手でご飯を食べる」という素晴らしい伝統を守れるように。

 

 イヌワリアフリカ 代表 バー由美子

 

お祭りで来客たちに振る舞うご飯を作る女性たち。もちろんこのご飯を食べる時は素手が基本です。お祭りで食べるこうしたご飯を皆でワイワイ食べるのは本当に美味しいです。